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最初で最後の恋

第19章 闇を乗り越えて

すっかり話し込んでしまい、時間も夕方の5時過ぎ。


そろそろ帰ろうということになり、あたしは蓮を玄関で見送る。


「早苗のことでまた澪には迷惑かけると思う。

本当にごめんな。でも…




協力、してほしいんだ」


そう言ってぺこりと頭を下げる蓮。

か、かわいい。


そう思ってしまったことは胸の奥にしまっておこう。


「ううん。蓮には色んなことにけじめつけて欲しいって思うから」


「…うん」


あたしたちはまた抱きしめあった。
お互いの気持ちを確かめ合うように。


トクントクンと伝わる鼓動。


あたしの音と蓮の音が重なり合うだけで、繋がってるって思える。


もうあたし、寂しくない。


あなたのことを信じてるから。

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