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最初で最後の恋

第20章 浄化

「同じものを求めたって、なにも生まれはしないんだ。俺には…愛がなかった。


でも、澪は俺とは正反対だったんだ。


愛があるというより、真っ直ぐで…素直で…初めて会った時も思ったけど、真っ白なんだ」


あたしのこと、そんな風に思ってたんだ。

改めて蓮の口からあたしへの想いを聞いて、心が暖かくなる。


「きっと…人はみんな、足りないものを求めあって分け合って生きてるんだと思う。

俺たちは、ただ自分の苦しみを同じ苦しみで埋めてただけだった。だから…




俺が澪に出会ったように、早苗にもそんな相手ができてほしい」


もう、早苗ちゃんの瞳に憎しみなんてものはなかった。

むしろ……



すべてを理解したような、浄化されたような…

そんな表情をしてた。

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