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最初で最後の恋

第22章 現実と向き合う

なんだろう。


蓮から聞いた話と少し…ううん。

全然違う。



蓮のお母さんは、蓮のことをお金のためだけに育ててたんじゃないの…?



あたしはおそるおそるおばさんに尋ねた。



蓮から聞いたこと。

おばさんから今聞いたこと。



一体、どこで食い違いが起こっているの…?




「ごめんね…蓮。

本当は、あなたが中学から帰って来たあの日。



あなたが隠れてあたしと男との会話を聞いてたの、知ってたの」



「え…なんで、母さん……」



「お母さん、蓮に自分のこれ以上惨めな姿を見せたくなかった。

でも…高校を卒業したら働くなんて言ってくれる息子に、迷惑かけたくなかったのよ。



だから…蓮が自分の生きたいように生きれるように、わざと突き放すようなことを言ったのよ。

一緒にいた男は、たまたまそういう話に乗ってくれそうな人だったから……




ごめんね、蓮」



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