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最初で最後の恋

第4章 動き始めた時間

体育館から外に出ると、気持ちのいい春の風がそよそよと吹いていた。


そのおかげか、焦っていた気持ちも落ち着いてきた。


改めて後ろからついてきた神田蓮を見る。

彼は何事もなかったかのような顔であのときと同じキョトンとした顔をしている。


「あの……」


外に連れ出したのはいいものの、特になにを話そうとか考えていなかったのであたしはなにから話せばいいのかわからなかった。
  

するとそれを察したのかなんなのか、彼から口を開いた。


「この1週間、あんたのこと探してたのに見つからない理由がわかったよ。

あんた2年だったんだな」

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