テキストサイズ

最初で最後の恋

第23章 最初で最後の恋

蓮はそんなことないというように首を振る。

ゆっくりと歩みを進めて行くと、近くに公園があった。


「ちょっと座って休んでくか」


蓮に促され、あたしたちは公園のベンチに座った。

公園を囲む木々がざわめいている。でもそれは爽やかな風からくるざわめき。


春の終わりの、心地よい風だった。


「俺……」


どのくらい静かな時間が経っただろうか。


ふと蓮が口を開いた。



「…うん?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ