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最初で最後の恋

第5章 たとえ偽物でも

「今こうして幸せって思えればいいの。

もし神田くんがあたしの知らないところでなにかしていたとしても、

あたしといるときにいつもの笑顔をくれれば不安なことなんてないよ」


あたしは香奈に笑ってみせた。

でも、香奈にはそれが無理してるってわかってたみたいだ。


「澪……酷なこと言いたくないけど、それじゃあずっと彼とは一緒にいられないんじゃないの?

澪が初めて本気で好きになった人なんでしょ??見ててわかるよ。

それなら、この先の未来を彼と過ごしたいって思うはずよ。

そのためには、嫌なことも受け入れて乗り越えるべきだとあたしは思う」


香奈の言葉が胸に突き刺さる。

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