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最初で最後の恋

第8章 彼が見たものは

香奈が一緒に応援してくれたり心配してくれなかったら、あたしはきっと喜びや不安を誰にも言えずにいただろう。


こうして相談し合える友達がいて本当によかった。


「はいはい、もう泣かないの!!

ほんっと、最近泣き虫になったわね」


鞄からハンカチを出してあたしの涙を拭ってくれる香奈。


「ぐずっ…ありが、どぉ……」


くしゃくしゃの顔のまま、あたしは精一杯の笑顔を香奈に見せた。



「ぷっ。泣きながら笑った顔、面白いわよあんた」


香奈はそう言いながらくすくすと笑っていた。

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