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最初で最後の恋

第8章 彼が見たものは

「やっぱり…」


はぁ、とため息をつく香奈。
でもその表情はどこか安堵の感情も含まれている気がした。


「な、なんでわかったの?キスマークもないのに」


「なんとなく、かな。いつも澪と一緒にいたから余計わかるよ。

澪、あんたすごく今綺麗だもん」


え、綺麗??


まさかそんなことを言われるなんて思ってなかった。
綺麗って…端から見てわかるくらいなの?


あたしは恥ずかしくて、俯きながら顔を真っ赤に染める。


「相手が神田蓮っていうのがかーなーり心配だけど。…よかったね」


そう言ってポンポンとあたしの頭を撫でてくれる香奈。あたしの目からは涙がこみ上げて。


「ありが、と…」


言いながらあたしの顔はどんどんくしゃくしゃになってしまう。

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