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最初で最後の恋

第8章 彼が見たものは

「遅かったね。なにかあったの?」


香奈が話しかけると、透くんは目線をあたしに移した。

な、なんだろう。


「い…いや、なんでもない。

香奈、今日昼飯2人で食えないかな?」


真剣な表情のままの透くん。


「い、いいけど…澪、いい??」


「うん。あたしのことは気にしないで」


あたしはにこっと笑って言った。

ちらっと透くんを見ると、透くんは悲しそうな顔であたしのことを見ていた。


どうしてあたしのことをそんな目で見るの…?


香奈と話をしているはずなのに、どこか遠い目をしてる透くんだった。

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