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最初で最後の恋

第8章 彼が見たものは

ーside by 透ー

ったく。電車が止まって遅刻するなんて。
もっと早く家を出るべきだったな。


やっと学校に着き、急いで教室に向かおうとするが、うしろでガタンと音がして思わず立ち止まった。


振り向いても誰もいないし、音も聞こえない。なんだったんだ、今の…

どうしても気になった俺は、教室とは反対方向に歩く。


音がしたのは、このあたりか…?


『ポンプ室 学生立ち入り禁止』と書かれたドアの前に立つ俺。
ごくっと唾を飲み、ゆっくりと扉を開く。


電気もついていなくて暗いところだったが、俺は確かに見てしまった。







知らない女と情事に浸る神田蓮の姿を。

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