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最初で最後の恋

第8章 彼が見たものは

そのとき、ポンプ室の扉がノックされた。

俺は思わず神田蓮と扉の両方から死角になる場所に隠れた。少し狭いが我慢だ。


扉が開き、またしても知らない女が中にずかずかと入ってくる。


「蓮、終わったの?」


暗くて女の顔はよく見えないが、顔立ちは割と良いように見えた。
長い髪がふわりと揺れる。


「…早苗」


神田蓮は小さな声でそう呟いた。
早苗、と言うのか。


「ふふ、無様な女。よだれ垂らしてよがったりして。

ちょっと、はやくどっか行きなさいよ」


早苗という女はさっきまで神田とヤッていた女を軽蔑するように見下しながら言う。

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