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最初で最後の恋

第9章 突きつけられた現実

ーside by 香奈ー

食堂で食べたかったのに、透は空き教室にしようと聞かなくて仕方なくそうなった。


朝あんな真剣な顔で話があるなんて言われたら、別れ話かとすごく不安になったけど…

透の話を聞いた瞬間、涙が溢れて止まらなかった。


「う、嘘でしょう?

だって澪と付き合い始めてから神田の悪い噂はなくなったのに…」


「おそらく澪ちゃんに知られないために今まで堂々としていたのを隠すことにしたんだろうな…」


透も俯いたまま苦しそうな顔をしている。

どうしてなの…?

あの子がどれだけ神田のことを好きか、一番近くにいる本人がわかるはずじゃない。

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