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最初で最後の恋

第9章 突きつけられた現実

「…わかった。

澪の気持ちがちゃんとなるまで、あたし待つよ。ゆっくりでいいからね?

これからはあたしと透で澪のこと守るからね!!」


そう言っていつもの笑顔を見せてくれた香奈。あたしは我慢できなくて香奈に思い切り抱きついた。


「うあぁぁんっ…」


そのまま香奈の中で泣きじゃくる。
周りのお客さんの目なんてどうでも良かった。


今は苦しくて苦しくて仕方ないけど、いつか神田くんを忘れられる日が来るんだよね…?


でも……







忘れられる日なんて、来るのかな。


こんなにも愛しくて、優しくあたしを抱きしめてくれた彼を。

甘くてとろけそうなくらいのキスをくれたあなたを。




まだ見ぬ未来に、あたしは希望を持つことができなかった。

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