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最初で最後の恋

第11章 違和感

ポンプ室の中は真っ暗で、人の気配はなさそうだった。


「そう簡単には見つからない、か」


諦めて戻ろうとしたそのとき、ドアの前にいたのは……





「…あれ、約束もしてないのに女がいる」





目の前にいたのは、タバコをくわえた神田蓮の姿だった。


彼はあたしにどんどん近づいてきて、顎をくいっと持ち上げた。


「俺に抱かれに来たわ…け…

あ…あんた確か、澪の……」


あたしの顔を間近で見てやっと澪の友達だと気づいたのか、彼はあたしに触れていた手をぱっと離した。


やっぱりこいつ、最低。

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