テキストサイズ

最初で最後の恋

第11章 違和感

「いつもここで色んな女とシてるのね。さっきの一言でわかったわ」


責め立てるように言うと、彼は戸惑ったような悲しそうな顔をしている。


「なによその顔。澪が今どれだけ苦しんでるか知らないくせに、あんたがそんな顔しないでよ!!」


「は?勝手に離れたのはそっちだろ。

俺だって少しは傷ついたんだ。これでおあいこだろ」


彼はタバコを床に落とし足で踏み消した。


「よくそんなことを……

澪のことを本気で好きじゃないってわかってて、一緒にいさせられるわけないじゃない!

あなた、自分がなにしたかわかってるの!?」


なにもできない苛立ちが、すべてこいつのせいに感じてしまう。


あんたがいなければ、澪は苦しまなくて済んだ。もっと素敵な人に出会えたかもしれない。なのに…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ