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詩集

第20章 ~托卵屋~・後章

気がつくと私はベッドの上で寝ていた

白い天井がぼやっとした頭に眩しく映る

後遺症も、痛みもなく、お腹の中は彼らに引き渡されたらしい

処置後はいつもの通り、バイタルを取るために私はほぼ裸でベッドに横たわる

心電図から血糖値まですべてが今後の施術のために記録される

お腹の上に乗ったエコーは24時間子宮を記録し続けるし

おしっこは検査のために取られ放題

そんな幕真の小さな休憩時間のはずだった

ガラリと扉が開くまでは

ふと、窓に映る室内に人影

どこで調べたのか、病院関係者以外は知られないはずの私の病室に

シュウさんがぽつりと立っていた

彼は私の傍らまで来ると手を取って

「のどかさん、あなたが好きです」

と告白した

そっと私はキスで返して

別の物語が動き始める

~托卵屋~ Fin.

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