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秘密の派遣業務

第20章 一人ぼっち

もともと…一人ぼっちだった。

両親も…兄妹も…親戚もいなかった。
強く生きてきた…つもりだった。

なのに…

桐沢さんの優しさ、温もりに触れて…
幸せを感じてしまった。

私にはもう…そんな資格なんてなかったのに…

社長に騙されて契約書にサインした時点で、諦めなきゃいけなかったんだ。

自分でサインしたんだから…



そう自分に言い聞かせた。

もう甘えちゃいけない。
心配もかけちゃいけない。

自分の責任で生きて行かなきゃ…行けない。

辛い気持ちは心の奥底にしまい込み、笑顔で過ごそう。

もう…誰にも本心は見せれないから。

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