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秘密の派遣業務

第21章 伝えたい想い

切なく微笑む紗江にいたたまれなくなり桐沢は無意識に紗江を抱きしめていた。

紗江「っ?!な、何で…っ?」

いきなり抱き締められ固まる紗江。

紗江「もう止めてよ…これ以上期待させないで…」

紗江は桐沢の腕の中で身じろぐ。
その身体が震えている事に気付いた。

桐沢「話を聞いてくれ。」

紗江「もう…いいから…。桐沢さんありがとう。聞いちゃったのは確かにショックだったけど…でも…その通りだから…。みんなは間違ってないよ。」

儚く微笑む紗江に桐沢は胸が痛む。

(…紗江がそう言えるまでにどれほど辛い思いを噛み締めたか…紗江の目を表情を見ればわかる…)

桐沢「…違う…紗江は肝心な所を聞いてない…」

真剣な声だった。

紗江「……………肝心な…所…?」

その声に紗江は顔を上げ桐沢を見た。

桐沢「…そうだ。あの言葉には続きがあったんだ。紗江はそれを聞いてない。」





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