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秘密の派遣業務

第26章 心の傷と闇

藤堂「…桐沢…わかってやってくれ。…こいつらは媚薬で…どうしようもなかったんだ…」

佐伯「…すまない…」

藤本「…ほんとに…ごめん…」

打ちひしがれた2人を見下ろす。

(…こいつらも…被害者だ…それはわかる。だが…紗江っ!)

桐沢「…今…紗江は…?」

低い掠れた声だった。

藤堂「…眠れないみたいだったから…今は睡眠薬で眠ってるよ。」

桐沢「……………紗江の所に行く…」

桐沢は静かにそう言うと医務室を出て行った。

何も言わない事が桐沢の怒りを表していた。
静かなる怒りをヒシヒシと感じ空気は張り詰めていた。

桐沢が居なくなっても、しばらく誰も身動き出来なかった。


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