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秘密の派遣業務

第36章 離れ離れの生活

その頃…

桐沢は1人、紗江の部屋に居た。

もう居ない紗江を想う…

暖かく居心地の良かった紗江の部屋が、今はひっそりしていて嫌でももうここに紗江は居ないのだと実感していた。

桐沢「…紗江…」

信じて待つしかない…
紗江が元の生活に戻った上で、冷静に判断して自分を選んでくれると…

あのまま、流れのように一緒に居る訳にはいかなかった。

あのまま一緒に居れば…
紗江はずっと桐沢に対して負い目を背負ったままになる。
それだけはどうしても嫌だった。

島から離れ全てをリセットして始めたかった。

普通の恋人同士になるために…

覚悟を決めて紗江を島から解放したはずだった。

桐沢「なのに…何故こんなに辛いんだ…?」

大きく息を吐き出す。

(必ずまた会えると信じて今は待つしかない。)

ゆっくり立ち上がり桐沢は食堂に向かった。




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