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矢崎「…そう言うと思ってた。だけどな俺だって簡単にはひけない。」

矢崎は更に強く紗江の腕を掴む。

矢崎「…会えない彼を想って…いつまでそんな顔をしてるつもりだ？…言い換えよう…そいつはいつまでお前にそんな顔をされるつもりなんだ？」

容赦なく紗江の痛い所をついてくる矢崎を紗江は睨みつける。

紗江「…だからっ…会いたくても会えない事情が…あるんですっ！彼は…直哉さんは…悪くないっ！！」

紗江の目から思わず涙が溢れ出す。

矢崎の口調が優しく変わる。

矢崎「…いいか？…俺ならどんな事情があっても、離れ離れになるような事はしない。お前達の事情は知らないし、聞く気もない。だけどな、本当に大事なら半年もお前に寂しい想いはさせないんじゃないのか？」

矢崎の言葉は紗江の胸に重くのしかかっていた。