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春の風

第9章 回想 side.瑞香


僕には、母親がいない。

母は、僕が小学3年のとき、亡くなった。

事故だった。父はそう言ったが、

真実を知るのに、そう時間はかからなかった。



『可哀想に。美寿紀さん、何を悩んでいたのかしらね。』

『ええ、夫婦問題かしら?』

『お子さんも可哀想に。まだ小さいでしょう。』

『そうね〜。嫌よねぇ。自分のお母さんが自殺したなんて。』

『首吊りでしょ?』

『やだわ、物騒ね。。』

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