私の掏明くん
第11章 いざ結婚式へ
伸一「久しぶり、6年ぶり…かな?」
千尋「…そうだね」
掏明「…」
千尋「…」
千尋と伸一
二人が最後に会ったのは
今から6年前の成人式の日が最後だった
まさか
6年ぶりの幼なじみとの再会が
結婚式の披露宴、その会場の女子トイレ
前とは
なんとも
微妙なもので…
伸一「会場、戻らないのか?」
千尋「ちょっと、急用で」
伸一「そっか…」
千尋「今日は招待してくれてありがとう
お嫁さんと幸せにね」
伸一「…あぁ」
掏明「…」
千尋「それじゃ」
伸一「…」
伸一への気持ちを断ち切るように
会場から去ろうとした千尋
だけど…
伸一「千尋!!」
千尋「?」
伸一「俺、千尋には言われたくなかった
そんな言葉…」
千尋「何言って…」
掏明「結婚式に招待しといてよくそんな
事が言えるよな」
千尋「…ッ」
掏明の言う通りだった
おめでとうと幸せになってと言われたく
ないなら
何故、千尋を式に招待したのか
式に招待せず、ずっと黙っていればわか
らなかったのに…