私の掏明くん
第14章 辛い現実
一輝「信じられない?」
千尋「当たり前でしょう!!だって」
一輝「じゃあこれっ」
千尋「…何」
一輝「遺書だよ」
千尋「…見ていいの」
一輝「いいよ」
千尋「…」
掏明「…」
父親が自殺したのに
平気でその事を千尋に伝え
あろう事か一輝は遺書までも千尋に見せ
てくれ
大人なのか
冷めているのか
それはわからなかったが
千尋は一輝から遺書を受け取り内容を確
認した
千尋「…」
掏明「…覚えてる」
千尋「!?」
掏明「覚えてる、この遺書…」
千尋「(小声)こんなの…覚えてなくて
いいのに…」
掏明に見えないよう
体で隠しながら千尋は遺書を読んだ
便せんには震え弱々しい字で自分が死ん
だ後の事
みんなの迷惑にならないよう
会社や葬式の事などが事細かく書いてあ
った