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私の掏明くん

第20章 タイムリミット



千尋「…」

良人「千尋さん?」

千尋「すいません、失礼します…」

良人「…」


料理の途中だったが
失礼を承知で席を立った千尋
急いで店を出て掏明の後を追いかけた
一人では
バスやタクシーには乗れない為
歩いて帰ったはずだし、歩きならすぐに
追いつけると思ったが…


千尋「!?」

掏明「…」

千尋「帰ったと思ってた…そこで何して
るの?」

掏明「考え事…」

千尋「…」


店の入り口に
座り込むように掏明がいた
足の間に顔を埋め元気ない様子の掏明
彼に関して
掏明は何も言わなかったし
千尋もあえて何も聞かなかったが
もしかしたら二人は知り合いなのかもし
れない


掏明「…」

千尋「掏明、帰ろう」

掏明「…うんっ」

千尋「…」


二人の事は気になったが
彼とは今後、会う事はないと思い
お互い彼の事を話題にあげる事はなくな
っていた
不思議とそうなると
千尋の記憶からは彼の存在は薄れ
いつの間にかお見合いした事も忘れてし
まっていた


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