私の掏明くん
第21章 チョコレート味
一輝「自殺だから保険金は下りないし、
年金暮らしのじいちゃんやばあちゃんに
いつまでも頼れない、貯金を切り崩して
ずっと頑張ってきたけどもう無理」
千尋「でも」
掏明「…」
千尋「でもお父さんはまだ生きて」
一輝「そんな事わかってる、わかってる
よ!!だけど、だけどさ…」
千尋「…ごめん」
一輝「…」
掏明「…」
東矢はまだ生きてる
だけど金銭的な理由から治療を続けられ
ない
辞めざるを得ない状況なら
仕方がなかった
一輝「じゃあそういう事なんで…」
千尋「あっ…」
掏明「…」
用件だけ伝えると
一輝は病室から出て行ってしまった
追いかける事も出来ず千尋は、その場に
一人で立っているのが
やっとだった
千尋「…」
掏明「…」