テキストサイズ

不器用なタッシュ

第5章 『 好き 』?

約4年前

携帯に、見知らぬ番号。


怪訝に思いながら、電話に出ると


「はい…須永です。」


『須永嘉之さんで、しょうか?』


ん?フルネームで言われたな。


「はい。そうですが。」 


『この度は、当コンテストにご応募頂き誠に、有難うございました。』


コンテスト…えっ!まさか!


『須永さんが、ご応募して下さった
《Il mio profumo》が、最優秀賞に選ばれましたので、ご連絡させて頂きました。』


え…最優秀賞…。


「本当ですか!俺…自分のですか!」


電話の向こうの声は、柔らかくなって


『はい、おめでとうございます。それに伴いまして、授賞式と作品の展示に尽きまして…』


色々説明を受けだが、正直上の空だった。


最優秀賞…最高の賞をやっと取れた…。




それは、決意してから半年以上経った時の事だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ