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不器用なタッシュ

第5章 『 好き 』?

授賞式当日

賞状を貰い、簡単なインタビューを受けて、現実なんだと実感してきた。


でも…授賞式への緊張と言うよりは、いよいよ彼女…渡辺香織に告白する事に、ほぼ意識がいっていた。


何て言えばいいんだ…。


授賞の知らせがあってから、毎日そればかり考えた。


安岡に相談すると


「ストレートに『好き』って言えば、渡辺さんは大丈夫だよ!あっ、ちゃんと付き合って下さい!手を出してペコリってするんだぞ!」


ペコリって…必要か?


「いきなり抱き締めたり、キスしたりすんなよな!ここまで自分で段どったんだから!飲み会のセッティングは任せとけ~!」


「サンキュ…。」


やたら張り切ってる安岡が心強く思えるくらい、俺は人生の中で一番緊張してたかもしれない。

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