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不器用なタッシュ

第5章 『 好き 』?

一緒に眺めながら彼女は語りだす。


「どこからでも同じモノが見えるって、素敵ですよね?」


「どうゆこと?」


「なんか…離れてても同じもの見れてたら、心は繋がってそうな気がして。月だけじゃなくて…理想や夢も。身体は違えど、同じ夢描けたら、心は繋がっていられるのかもって…。」


えっ!!


ドクン…。


「嘉之さんが描いてる夢…少しくらい同じ夢描けられたら…いいな…。」


ドクン…ドクン…。


彼女とだったら…ずっと一緒のモノを見詰めて、描いていけるだろうか…。


ずっと側に、居てくれるのか?


「…香織…。」
「えっ?」


無意識だった…。


俺は彼女を見詰めていた…。


『好きです…付き合って下さい。』


ペコリと頭を…何て無理…。


「嘉之さ…。」


彼女の言葉は途切れる…俺は渡辺香織に…キスをしていた。

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