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不器用なタッシュ

第5章 『 好き 』?

彼女は三次会を気にしてか


「あ、あの!嘉之さん!まだ明るいし駅まで行けば大丈夫なんで、みんなのところに戻って下さい。」


必死で言っていたが、戻る気ない…。


てか、どこで告ろう…。


まさに口から心臓って、こんな感じかも。


ドキドキを通り越して、バックンバックン、鳴ってるし!


あっ!川辺に行くか!


「渡辺さん、ちょっと散歩しよ!」


「えっ!」


戸惑う彼女を無視して、ひたすら歩き出した。


川辺に着いたが、相変わらず沈黙のまま歩く。


言わないと…言わないと…。


この状況が辛くなったのか、沈黙を破ったのは彼女だった。


「嘉之さん!月が綺麗ですよ!ほら、満月です!」


月…。


思わず見上げると、煌々と輝いて水面に月明かりが反射している。


「あぁ…綺麗だな。」


ちょっと、落ち着けるかな。

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