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不器用なタッシュ

第6章 不安

まさかこんな事になるなんて、予想だにしなかった。


俺は、無意識に安岡に電話を掛けていた。


久々に掛けたのもあってか、安岡はツーコールくらいで電話に出た。


『嘉之どうした?香織ちゃんと何かあったのか?』


開口一番にそんな台詞なのが謎だが、今はそれどころじゃないし、正直当たっている。


「か…香織が…いきなり倒れて…息はあるんだ。青くて…冷たい…。」


『落ち着け!救急車呼ぶか?』


「呼んだ方が…いいのか…。」


『…香織ちゃん、倒れる前…どんなだった?』


「倒れる前…。」


何か凄い疲れてたよな…アルコールも飲まなかったし…ご飯も食べてないし…。


昨日、内に泊まった事から伝えていった。


『解った!折り返すから、とにかくベッドに寝かして温かくしてあげろ!しっかりしろよな!』


「あぁ…。」


プチ!ツー!


安岡との通話は、一旦切れた。

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