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不器用なタッシュ

第7章 歪

無駄な顔文字も、癪に障った。


苛々する余り、携帯を床に叩き付けたくなる。


『そうですか…アイツに言ったら心配してしまうと思うので、内緒にしておきます。』 


アイツ…とは、架空の人物だけど。


『須永さん、優しい~(≧∇≦)』


………うざっ。


『渡辺さんが出勤したら、また教えて下さい。宜しくお願いします。』


ブルブルブルブル…バイブ音が響く。


『分かりました(*≧∀≦)ゞ』


そのメールを一瞥して、ソファーに携帯を放り投げた。


まぁ…流石に明日位には、連絡くるかな。


安易に、そう思った。


俺が忙しくて返信しなくても、香織はいつもメールくれていたから。


香織が裏切るかもしれない不安を利用して、気持ちをいつも試してしまっていたが……

本当は、香織だけは俺の側に居てくれると自負があった…。




自分でも、無意識だったけど…。

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