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不器用なタッシュ

第7章 歪

次の日も…何の連絡もなかったが、元木のメールで出勤した事は分かった。


でも…


『渡辺さん来てましたぁ~でも…誰とも付き合う気ないからって~紹介も要らないから須永さんに伝えてって、言われちゃいました~(*pωq*)』


まあ…俺と付き合ってるし………

誰とも付き合わないか…。


元木にそう言った限り、俺たちの関係は明かされない…。


ズキ…小さな痛みと、全身を覆いだす気だるい不安…。


しようがない…今の状況では、明かせないだろうけど…
敢えて『須永さんに伝えてって』…何か意図を含んでる気がした…。



どうしようもなく胸が、ザワつく…。


カチカチカチと、携帯のデータフォルダから画像を出した。


浴衣姿の香織とその親友…その時のメールには


『親友の黎子と花火大会に来たよ!今度は嘉之と来たいな!』


誰かに撮って貰ったのか、めちゃめちゃ笑顔でピースをしている。


唯一送られた、香織の写メ…。

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