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不器用なタッシュ

第3章 高校時代

「……恋…。」


その言葉が妙に、くすぐったい。


「そう~K.O.I.で恋!」


安岡は、指でハートマークまで作る。


「知ってるけど…。」


「言葉だけだろ~。初恋とかいつだったんだよ?」


言われてみれば…初恋ってしたかな?


「分からねぇ。」


遠くを見詰めて、答える俺に


「んじゃ!初恋って~やつぅ~?」


いちいちイライラさせるな…。


「知るかよ!」


「照れてる照れてる~!よし!親友の初恋祝いに乾杯だ!」


下らねぇ!


「いいよ…。」


不機嫌な様子を無視して安岡は、俺にコーラの入ったコップを握らせ


「はい!乾杯~!」


カシャリと氷掠れる音を聞きながら、照れを隠すかの様に唇を歪めた。


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