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不器用なタッシュ

第7章 歪

そっと手を伸ばして、香織の頬に触れる。


柔らかくて、きめ細かい肌。


指先が震えそうだ…。


香織の存在を確かめるかの様に、頬の輪郭にそってなぞると


「あっ…。」


甘い声を小さく漏らす。


我慢、出来るか!


「香織!」


瞬間、香織の身体を抱き締めた…。


「嘉之…。」


緊張からか、香織に力が入ったのが分かる。


でも、腕の中の香織の温かさ…柔らかさ…甘い香りが、俺の五感を満たしていく。


「やっぱり香織は…抱き心地いいや…。」


腕の中にちょうどフィットするこの感触が、堪らなくクセになる。


「なっ!ちょっと…!」


その言葉に照れた様に香織が、押してきたけど


カツカツカツ…。


「しっ!」


足音は、部屋の前を通り過ぎた。


「大丈夫…。」


しばらくここに、二人きりだろう…。


俺は人気を気にする香織の唇を奪い、舌を挿し込み舌を絡めていった。

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