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不器用なタッシュ

第7章 歪

「え…。」


その言葉に、香織は目を見開いた。


「疑った訳じゃないんだ…ただ…居ても立ってもいられなくてさ…。」


「どうゆう…意味…。」


『意味』…言ったままなんだが、香織はその裏に何かあるとでも思ったみたいだ。


まあ…こんな事までして来たから、疑ってるのかもな…。


でも俺は、正直に行動に出た。


「触って…いい…。」


「会社だから…。」


「少しだけでいいから…。」


やっと会えた…とにかく触れたかったし、流され易い香織だから、後はそれからだ…。


「でも…仕事中…。」


「お願い…。」


いつになく、甘えたら


「少しだけなら…。」


俺は無意識に、香織は必ず言うことを訊いてくれると決め付けていた。


嬉しかった…。


拒絶の態度を香織に初めて取られて連絡が取れなくて、不安で仕方なかった分…

俺は自然に…笑った。

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