テキストサイズ

不器用なタッシュ

第7章 歪

結構長い事、重ね合わせていたと思う。


最初力が入ってた香織も、身体を預ける様に寄っ掛かっていた。

 
少し離れた隙間から


「…はっ…もう…戻る…。」


香織は嘆願してきたけど、これではまだ、気が済まない。


「あと…少し…んっ…。」


「あっ…。」


漏らす声すら吸い込むくらい、飽きるまで食い付いてやると思った。


クチュ……チュッ…。


触れ合う感触が、気持ち良くて脳内を麻痺させていく。


香織……香織…君は俺だけのモノなんだ…。


貪欲な欲望のまま、このまま抱いてしまいたくなる。


出来なくは…無いかな……更なる身勝手な思いが沸き上がり掛けた時…


カツカツカツ!
ヒールの音が近付き…コンコン!


ドアが叩かれた。
誰だ?


ここで俺たちがミーティングしてるのを知ってて敢えて来る人物…まさか…


ガチャン!


返事も待たずにドアを開けて入って来たのは…アイツだった。


「須永さん!居ますか!」


甲高い声が不愉快さ、倍増しの…

元木だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ