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不器用なタッシュ

第7章 歪

「上手いじゃん…てか、ヤケに今日は絡むよな。」


「当たり前だ!デート邪魔しといて!」


あんだよ!だったら断れよ! 


「じゃあ、帰れよ。」


「はぁ~?今日だけの問題じゃないだろ!」


訳解んね~んだけど。


「要は、香織を大事にしろって事だろ!」


「その通~り!」


指差し確認みたいに、ふんぞり反って俺に向ける。


完璧、酔っぱらいだな。


でも…きっと安岡の言ってる事は間違いじゃない。


香織の気持ちを伺いながら、どこかで慢心していたんだ。


「海外に行きたいんだ…。海外に拠点を置けるように準備する。」


「はぁ~?またそんな勝手な事を!渡辺さんどうすんだよ!」


「香織も連れて、行くんだよ!イタリア行きたいって、言ってたんだ。」


「旅行じゃないよな…。一緒って、渡辺さんの人生背負う覚悟あるのか。」


香織の人生…そうだ…二人だけの問題じゃない…でも…。


「でも…香織いなきゃ…お先真っ暗なんだろ…俺の人生…。」


どうしたって、俺の我が儘なんだろうけど。 

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