テキストサイズ

不器用なタッシュ

第9章 霹靂

ホテルの最上階に近い階に、高級レストランがあった。


取り敢えず、どこでもいいから連れ込んでしまおうと思った。


香織の流され易さは、誰よりも知っている。


「コーヒーでいい?」


「うん…」


コーヒーは苦手だけど選ぶのも面倒だから、とっととオーダーした。


「忙しいそうだな…今日トランスに用だったのか?」


「うん…書類頼まれて…私なら顔パス効くから…楽だって…」


少し俯き加減で、目を合わそうとしない。


イライラ…揺すりそうになった脚を敢えて組む。


コーヒーが運ばれ香織は一気に飲むが、俺は殆ど口を付けなかった。


一方的に今日の催しの話を無駄に話した。


香織は俺の様子よりも、時計をまた気にして


「ごめん…ちょっとお手洗いに行くね…」


「あぁ…」


瞬間…

『男』って文字が脳裏に…

浮かんだ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ