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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

こう言う時の俺の感は100%当たる。


でも、まぁいい…
様子を見てから考えるから。


「…じゃあ、またの機会だな…送るよ」


俺たちはエレベーターに乗って、駐車場に向かった。


俺の押しに釣られて香織は付いてきたけど、そわそわとして落ち着かない。


そんなに『小田切』とやらが気になるのかよ…。


内心面白くなくて、舌打ちする。


駐車場に付いて車に向かうと


「嘉之…私やっぱり電車で…」


香織は逃げ腰になるが


「あれなんだ、車」


レトログリーンのニュービートルを指差すと、香織の表情は一気に明るくなって


「可愛いっ!」


嬉しそうにニッコリ笑う香織の笑顔は、感動した時に見せる笑顔だった。


この笑顔を見る度に…


頑張ろうって思えるんだ…。


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