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不器用なタッシュ

第9章 霹靂

「だろ!」


俺も釣られて自然と笑った。


それからニュービートル談義に盛り上がる。


「ニュービートル欲しがってたもんね!高かったんじゃない?」

「いや…中古だから、俺でも買えた」

「へぇ~凄~い!」

「頑張ったんだね…」

「まぁね」


瞬間、香織は何か考え込む様に口を噤んだ。


嫌な予感を払拭したくって、香織に乗車を促した。


「乗りなよ」


「あっうん、ありがとう!」


香織が助手席に収まると、何とも言えない満足感と不安感が…


まるで水面に点々と落ちるシミの様に広がって…


グルグルと、マーブルに渦巻きだした…。


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