不器用なタッシュ
第15章 対決
翌週になった――――。
「Grazie in anticipo……」
イタリアの宿主との国際電話を終えて、通話を切ると一気に疲れが襲ってきた。
「はぁぁ……」
先週から香織に言われた捨て台詞が、ずっと頭の中でリフレインする。
その度に腹が立って仕方ないけど、イタリアへいく準備もしなくちゃで、忙しさに気が紛れそうになって――――余計に腹が立つ。
「誰のためにイタリアに行くと思ってんだよ。元々行きたがっていたの香織だろ!」
特に何の取り柄もなかった俺が、ただ感情を叩きつけてきただけの絵でここまで成功出来たんだから単純に喜べばいいことかもしれない。
でも――――俺がここまで来れたのは、やっぱり香織が居たからだ。
香織とイタリアに、行きたかったからだ。
そして同じイタリアの景色を見て、ずっと一緒に生きていきたいんだ――――。
「そう簡単に、諦めると思うなよ」
絶対香織と、イタリアに行ってやるからな。
そのためにも、邪魔者を排除しないとだ――――。
憎い相手の顔を思い浮かべて、口を歪ませる。
揺るがない決意と共に、イタリア行きの段ボールに荷物を叩き込むように投げ入れた。
「Grazie in anticipo……」
イタリアの宿主との国際電話を終えて、通話を切ると一気に疲れが襲ってきた。
「はぁぁ……」
先週から香織に言われた捨て台詞が、ずっと頭の中でリフレインする。
その度に腹が立って仕方ないけど、イタリアへいく準備もしなくちゃで、忙しさに気が紛れそうになって――――余計に腹が立つ。
「誰のためにイタリアに行くと思ってんだよ。元々行きたがっていたの香織だろ!」
特に何の取り柄もなかった俺が、ただ感情を叩きつけてきただけの絵でここまで成功出来たんだから単純に喜べばいいことかもしれない。
でも――――俺がここまで来れたのは、やっぱり香織が居たからだ。
香織とイタリアに、行きたかったからだ。
そして同じイタリアの景色を見て、ずっと一緒に生きていきたいんだ――――。
「そう簡単に、諦めると思うなよ」
絶対香織と、イタリアに行ってやるからな。
そのためにも、邪魔者を排除しないとだ――――。
憎い相手の顔を思い浮かべて、口を歪ませる。
揺るがない決意と共に、イタリア行きの段ボールに荷物を叩き込むように投げ入れた。