不器用なタッシュ
第17章 強行突破
二週間程経った頃――――辻さんから、連絡がきた。
『須永くん……カッテージさんとのイタリア企画なんだけど……』
電話越しの辻さんののトーンが低い。
嫌な予感がする――――でもフェイクかもしれないし。
「はい……どうなりました?」
俺は息を潜めて、答えを待った――――。
■□■□■□
「くっそ! あと少しだったのに!」
俺は沸き上がる怒りと悔しさのまま、ソファーを蹴飛ばした。
辻さんから聞かされた答えは、『NO』だったからだ。
『カッテージさん曰く、最近のヨーロッパの経済状況が不安定で今時点で先行きが見えないから、今回のような大きな企画は現実、かなり厳しいって……でもね企画の内容自体は、凄く評価されていたから、また機会があったらチャレンジさせて欲しいって!』
――――その上。
『逆にうちのほうは張り切って計画を進めていただろ。あちらさんが凄い好意的で、今すぐにでも須永くんに会いたがっていて早くイタリアへ来て欲しいみたいなんだ。だから下見もなしって、上も決めちゃって……今週、イタリア行きになるんだけど、そのつもりで準備しといてよ。足りないものは言ってくれたら国際便で送るから。じゃぁ頼むね~』
――――そんなことになっちまった。
『須永くん……カッテージさんとのイタリア企画なんだけど……』
電話越しの辻さんののトーンが低い。
嫌な予感がする――――でもフェイクかもしれないし。
「はい……どうなりました?」
俺は息を潜めて、答えを待った――――。
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「くっそ! あと少しだったのに!」
俺は沸き上がる怒りと悔しさのまま、ソファーを蹴飛ばした。
辻さんから聞かされた答えは、『NO』だったからだ。
『カッテージさん曰く、最近のヨーロッパの経済状況が不安定で今時点で先行きが見えないから、今回のような大きな企画は現実、かなり厳しいって……でもね企画の内容自体は、凄く評価されていたから、また機会があったらチャレンジさせて欲しいって!』
――――その上。
『逆にうちのほうは張り切って計画を進めていただろ。あちらさんが凄い好意的で、今すぐにでも須永くんに会いたがっていて早くイタリアへ来て欲しいみたいなんだ。だから下見もなしって、上も決めちゃって……今週、イタリア行きになるんだけど、そのつもりで準備しといてよ。足りないものは言ってくれたら国際便で送るから。じゃぁ頼むね~』
――――そんなことになっちまった。