
えっちな「やみのおうへのみち」
第4章 「暗転の魔道――悪夢導く血の少女」
しかし矢は、発生した円の影と赤い稲妻に吸い込まれるようにして消えてしまったのである。俺はどうしたものか、困ってしまった。これでは少女に近づくことは難しそうだ。この影が俺と少女の間にある限り、きっと俺は前進することができない。なぜなら影と赤い稲妻は、はっきり俺を攻撃するためのものであろうから。でもどうしたらいいのかまったく思い浮かばないから、俺は考えるのを放棄して、しょうがない、ずんずん少女に向かって進んでいってみることにした。当たったら痛そうな赤い稲妻も、当たってみない内には、本当に痛いかどうかも分からない。吸い込まれてしまいそうな黒い影も、実際吸い込まれてみてからじゃないと、真実は解明できない。
