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身代わり妹

第10章 新心

トントン

病室のドアがノックされ、賑やかな声と共に顔を覗かせたのは、花純ちゃんと奏佑くんだった。



「美優‼︎ 」

ガバッ

大股で歩み寄った奏佑くんが、私を抱き締める。


(……心配させちゃったよね)

奏佑くんには、何の連絡もしなかった事を思い出す。



「…ごめんね」

「やだっ! もう何処にも行くな!」

そう言ってキツく抱き着く奏佑くん。


─────が、

直後、すごい力で奏佑くんの身体が後ろに引き戻された。



「奏佑っ! 気持ちはわかるけど、後でお仕置きだからね!」

奏佑くんの首根っこを掴む花純ちゃんが怖い顔をしている。



「今付き合ってるんです」

私の不思議そうな顔に気付いた花純ちゃんがサラッと答える。


「ええ⁉︎ 」

「この純情さに惚れない人間がいると思いますか?」

花純ちゃんがあまりにも自慢げにそう言うから、思わず笑ってしまった。


そういえば花束の時、かなり感動してた。



「お似合いだと思う」

私の言葉に、2人は照れ臭そうに笑った。



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