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身代わり妹

第12章 新人

朝倉さんは空いてる凌太の腕に、当たり前のように抱き着いた。


「だってぇ、凌太先生の隣で温々生きてる奥さん見てるとムカつくんだもん」




……言い返せない。


今の私は自分の身体で精一杯。

凌太に守られて温々生きていると言われればその通りだ。



「……お前が見てもそう思う?」

凌太の言葉に、更に心苦しくなった。


「凌太……ごめ…」

「俺が美優をムカつくくらい幸せに出来てるってのが、こいつにもわかるくらい溢れ出てるって」


謝ろうとした私の言葉を遮り、凌太は満面の笑みで私にそう言った。



─────受け止め方がポジティブ過ぎる……。


そう思いつつも、凌太の笑顔に私までつられて笑顔になる。


「ふふっ…ふふふっ…」

後ろを歩く由美さんも堪えきれない笑いが零れていた。



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