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身代わり妹

第13章 敵意

<side 美優>


「……ごめんね」

花純ちゃんの話を聞いて、こんなにも皆に心配掛けていたんだと申し訳なくなった。


「何で美優先輩が謝るんですか⁈ 」

花純ちゃんが首をブンブンと横に振る。


「皆に嫌な思いさせちゃった……」

「朝倉さんに嫌な思いをさせられていただけです」

私の言葉をキッパリと否定してくれる花純ちゃん。


ありがとう。

でも、気持ちのいい終わり方じゃなかったな……。



心配掛けた皆に謝り、凌太に手を引かれて家に帰る。


「余計な事考えないで、ちゃんと身体休めろよ」

ベッドに横になった私の髪を、凌太がそっと梳いた。


「うん……でもよかった」

「何が?」

「凌太を盗られなくて……ホント良かった」


本当に本当に良かった。

朝倉さんみたいな押しの強そうな人…長期戦になったら大変だっただろうな。

そう思うと涙が込み上げて来た。



「─────…っ」

小さく息を飲んだ凌太。

気づけば私の顔の上には凌太の顔が覆い被さっていた。


チュッ

オデコに触れる凌太の唇の感触。

そのまま凌太の唇は私の頬に触れながら下がってくる。


「ん……」

塞がれる唇。

伝わる凌太の熱に、私は堪らず凌太に抱きついていた。



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