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身代わり妹

第14章 誕生

張り止めの薬のせいなのか、

臨月間近なせいなのか、

動悸や息切れがひどい。


一番困るのは手の震え。

何をするにも不便で仕方ない。


身体が重苦しくて、私は横になってばかりいた。



カチャ…

遠慮がちに寝室のドアが開く。

その音にハッとして目が覚めた。


どうやら昼食を終えてベッドで横になった後、寝てしまったらしい。



「……おかえり」

凌太の背中に声を掛け、ゆっくりと起き上がる。


「あぁ悪い。起こした?」

部屋着に着替えた凌太がベッドへと近付く。


「長いことお昼寝しちゃった……。

ごめんね、まだご飯の支度してない」

立ち上がろうとする私を凌太が押し戻す。


「いいよ、母さんも今帰ってきたから」

「でも……」

「美優はちゃんと俺の子守ってて」



……凌太も由美さんも優し過ぎる。


でも、立ち上がろうとしただけで息切れを起こした私は、その言葉に甘える事にした。



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