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なななのな♪

第104章 2月14日

『寡黙男子』────…



教室に異様に甘い香りが漂っていた。


今日はバレンタインデーっ!

平沢 亜紀乃、
クラスのみんなに手作りチョコクッキーを配ってます!


で、義理チョコを男の子に渡す私を見た学が、珍しくムッとした表情をして嫉妬───…



なんて事は


「ZZZZZ………───」


もちろんあるわけないのです。


「平沢(ひらさわ)、学のこと見すぎっ…そんなに義理チョコです感出されるとへこむんだけどっ」


「うるさいなあ…」


男の子にはからかわれるし、作戦は成功しないし…


もう泣きそう…。


いや、こんなバレンタインくらいで学が他の男子みたいにそわそわしないのは分かってたけどさ…


そわそわしないどころか、いたって普通すぎて逆に不自然なんだけど。


ムカつくから、本命チョコ焦らしに焦らして、今日こそ焦る学の表情見てやるんだからっ!



「学ーっ!かわいー後輩ちゃんが呼んでるぜー」


は…?


意気込んだ矢先に教室に響いた声。

ざわつく教室が突然静かになって学に視線が行った。


「…………ん?」

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