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ただ…愛してる

第18章 愛しくて

あの日がよぎった
キスをして微笑んだり
抱き合って
愛を確かめあったり



いまは
一方的な愛撫やキスを繰り返した


はなこは
ピクリとも動かない



『早く済まして…仕事あるから…』



その言葉に
俺は


『はなこさん勝手だな…俺がどんな
思いで、あの日信号待ちしてる
あんたらをみたかわかんの?』



はなこは
目を開けた



『あの日…俺は…はなこさんと旦那と息子君が歩いて楽しそうにしてるのを
みたんだ。どんな気持ちかわかる?』



身体を離す
あいとは
タバコに火をつけた



『あの日…あぁ。あの日ね。最後の晩餐だったの。別れがシンミリしたら
息子が心配するから、最後くらい家族で仲良くしようって…』



あいとは…
呆然としていた



『それで連絡が繋がらなかったのね』




おれのばかやろ




『あなたからの仕打ち…で目が覚めたの、いまでわ感謝してるわ』




服を着直し
ソファーに座る



『もう半年前のあたしじゃないの
さよなら。あいと…』



俺は…
俺は…




口から出た言葉が




『捨てないで…独りなんてやだよ』



だった…

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